半導体製造に欠かせない装置の正体とは

最新型の半導体露光装置について知る

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カメラ技術が生かされている

最新の半導体露光装置には、カメラ開発で培われた高度な光学技術が数多く取り入れられています。
露光とは、光を使ってウエハー上に回路を焼き付ける工程であり、その精度はレンズの性能に大きく依存します。
現在では、ナノレベルでレンズを研磨する技術が確立され、従来よりも高解像度のパターン描写が可能になりました。
さらに、日本の大手光学機器メーカーでは、カメラレンズの製造で培ったノウハウを応用し、露光装置用の光学系を開発しています。
これにより、微細で複雑なパターンでも正確に描写できるようになり、より小型で高性能な半導体チップの量産が実現しています。

収差補正とレンズ改良の成果

露光装置では、作業中に「収差」と呼ばれる光のズレが生じることがあります。
これは温度や気圧の変化など外部要因によって引き起こされ、回路パターンの歪みの原因となっていました。
従来はこの収差の補正が難しく、製造精度の課題となっていましたが、現在の露光装置には自動収差補正機能が搭載されています。
さらに、レンズそのものも見直され、劣化に強く、長時間の使用でも高い精度を保てるよう設計が改良されています。
これらの進化によって、製造現場での安定性が向上し、より高品質な半導体チップの製造が可能となりました。
こうした技術の蓄積が、日本の露光装置メーカーの競争力の源となっています。